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2020年01月31日

項目別控除(Itemized Deduction)

項目別控除は、定額控除(Standard Deduction)と違い、自分で様々な支出を申告し、所得控除を計算する方法です。どのような支出がが控除できるのか、あるいは出来ないのかをよく知っておくことで、確定申告の際により多くの所得控除を確保できます。


市民であるかどうかにかかわらず税法上で米国居住者と扱われる方は、毎年定額控除(Standard Deduction)として決まった額を所得控除として利用できます。2019年度では、個人の場合は$12,200、夫婦合算申告は$24,400、世帯主(Head of household)の場合は$18,350を直接所得から差し引くものです。この制度はすべての米国居住者にいくらかの非課税所得を与える事を目的としており、その額は毎年のインフレに従い微量ながら上昇していきます。


一方、項目別控除として各種の支出をSchedule Aという用紙上にて細かく申告していく方法もあります。項目別控除に含まれる支出が、定額控除より大きい場合、項目別控除を選択しより多くの所得控除を利用できます 。
項目別控除は大別して5つのカテゴリーがあり、中には特別な算出方法を行う場合もあります。


1)医療費(Medical and Dental Expenses)

医療費として支払った自己負担分の一部を、控除として利用できます。具体的には、調整後所得の7.5%を超過する分を所得控除が可能です。主に控除として利用できるのは、診療費、入院費、医薬品費、医療器具、コンタクトレンズやメガネの費用となります。注意しなければならないのは、基本的には担当医に「治療のために必要だ」と言われた物のみを利用できるという事です。例えば、過度の肥満や成人病等で医者に食事療法等を指示され、特別の指導を受けた場合の費用はここで計上できますが、単なるダイエットのために支払っているジムの会員費やダイエットフードの料金は計上できません。


2)税金(Taxes You Paid)

これは、連邦、州、自治体等に年内に払った各種税金になります。控除額上限は$10,000です。不動産税、固定資産税、自動車の登録費用等が対象になります。


3)利子(Interests You Paid)

支払った利子も、控除として利用できます。多くの方は住宅ローンの支払いに含まれる利子をここで申告する事になるでしょう。また、ローンを組む時Refinanceをする時に、購入したポイントも控除対象です。ローンを組んでいる銀行から、Form 1098という書類が届くのでそれが証明になります。


4)寄付(Gifts to Charity)

金銭的、非金銭的にかかわらず、寄付を行った場合その金額を控除として利用できます。どのような寄付でも利用できるわけではなく、IRSが認可している特定の団体に対する寄付のみが対象となっています。有名どころでは、Salvation Army等が挙げられるでしょうか。金銭ではない寄付の場合、価値の算出は購入時の価格を基準にすることが出来ます。


年間で$250以上の金銭による寄付を行った場合、その証明を求められる可能性があるため、レシートや銀行口座の記録等を保存しておく必要があります。また、金銭に依らない寄付でも、年間で$500以上を寄付している場合、その詳細を求められる可能性があるため、目録やレシートなどをきちんと保管しておくことが重要です。額が大きくなるとForm 8283という書類を作成し申告書と一緒に提出する必要が出てきます。


5)死傷者や盗難損失(Casualty and Theft Losses)

もし、事故や犯罪などに巻き込まれた場合、その被害額を計上すことが可能です。約10%を超過する分を所得控除として利用できます。賠償が行われた場合、その内容によっては課税収入として計上する必要が出てきますので、裁判所からの賠償命令にはきちんと目を通しておくことが必要です。




2019年度個人確定申告の締め切りは4月15日です。お手伝いが必要な方は、taxreturn@iiocpa.comまでお気軽にお問合せください!


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