日本帰国と家の売却のタイミング
Q: 日本に帰国を考えています。家を売るタイミングについてアドバイスをお願いします。
A: 結論から言うと、アメリカにいる間に売却するのがベストです。日本に帰国してからアメリカの家を売却すると、売却益は日米両方に申告する必要がある上、日米それぞれの税法に基づいて課税されるからです。
アメリカで家を売却する際の鍵は、2年以上その家に住んでいたかどうかです。売却時点から逆算して5年間のうち2年住んでいれば、夫婦合算申告で売却益にに関して最大50万ドルまで非課税となります(夫婦個別申告では1人25万ドル)。この2年居住ルールは夫婦両方が満たす必要があります。これをSales of Home Exclusionと呼びます。
例えば夫婦で7年前に30万ドルの家を購入して住み、その家の価格が現在は55万ドルになったとします。夫婦はリタイアして日本に帰る予定です。この場合、2年間の居住条件を満たしているので、3年以内に売却すれば、25万ドルの売却益 (55万ドルー30万ドル) は、50万ドルの控除の範囲内なので税金が発生しません。
もし、この夫婦が市民権あるいは永住権を放棄して日本に帰国し、アメリカの家をしばらく賃貸として運用する場合はどうでしょう。アメリカには税務上の非居住者として、家賃収入を申告する必要があります。また、この家賃収入は日本でも確定申告すべきです。
その後2年以上して、家を売却した場合、非居住者として家を売却することになり、売値に対し10%の源泉がされます。売却価格が55万ドルだった場合、上記のSales of Home Exclusionが使えないのと同時に、アメリカの税法上の非居住者は一般控除が使えないので、25万ドルの売却益すべてに税金がかかります。
さらに、日本では税務上の居住者なので、恐らく、日本でも売却益に対して税金を支払わなければなりません。
家を売るタイミングは、ぜひご自身のライフプランと併せて考えてみてください。そして是非ご帰国をお考えの際には、弊社までご相談くださいませ。