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2018年12月14日

外国税クレジット

国際化の進む昨今、アメリカ居住の皆さんは日本、並びに諸外国で収入を得ることも多いと思います。しかし、アメリカ以外の国での所得に対する税金はどこで支払われるのでしょう。アメリカで?海外で?それとも両国で?今回は2回にわたって外国税クレジットについて解説したいと思います。


アメリカでは確定申告時、全世界所得を申告しなければならなりません。言い換えると、海外所得もアメリカ所得税の対象となります。しかし、海外所得はその収入を得た国で税金を支払うのが一般的です。そこで、海外所得に対する二重課税を避けるために外国税クレジットが設けられました。



クレジットの申告資格
アメリカ市民、居住者、そして海外所得に対する税金を海外で納め、その所得をアメリカで申告しなければならない非居住者が海外で税金を支払った場合、外国税クレジットを申告できます。


アメリカ市民

アメリカ市民は、アメリカ国内で得た収入だけでなく全世界所得を申告しなければなりません。そして、海外で支払った所得税は外国税クレジットの対象となります。



居住者

税法上で定められたアメリカ居住者とは、下記二点どちらかに当てはまる方です。

1. グリーンカード(永住権)を所有している

2. 就労ビザを持ち2018年度31日以上滞在し過去三年間トータル183日以上滞在した




非居住者

前述の居住者の定義に当てはまらない方は非居住者となり、一般的に外国税クレジットの申告ができません。なぜなら非居住者は海外所得をアメリカで申告する必要がないからです。しかし、海外所得の税金を海外で納め、その所得をアメリカでも申告しなければならない場合は外国税クレジットを申告できます。

アメリカで海外所得を申告しなければならない非居住者とは、その所得がアメリカと関連した事業・貿易からで海外起源の場合です。例えば、非居住者がアメリカで働きその給与が日本で支払われたとします。この所得はアメリカで申告義務があり、これに対して日本で支払った所得税は外国税クレジットの対象となります。



為替レート

・個人に課された所得税

・支払った、または支払う義務がある所得税

・海外で合法的に徴収された所得税



上記の所得税は外国税クレジットの対象となりますが、海外で支払った税金をアメリカドルに変換しなければなりません。ここで為替レートが大きく影響してきますが、厳密に言うと税金を支払った日の為替レートを用いることがベストです。しかし、支払い回数が多い場合などは一年間の平均を適用するのが一般的です。IRSも年間平均の為替レートを出しています。



カリフォルニア

たとえ海外で税金を納めても、カリフォルニアでは外国税クレジットが認められておりません。なぜなら、租税条約とはアメリカ政府と各国が交わした取り決めであって、カリフォルニア州と交わされた取り決めではないからです。カリフォルニア在住の納税者は全世界所得を申告する義務があるので、海外所得に対してカリフォルニアと海外の国から二重課税されることになります。

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