国際情報開示のペナルティー
Q:「Form 5471」、「Form 5472」、「Form 8865」に対し、もしもペナルティーの通知を受け取ったら、どうしたらいいですか?
A: 国際情報開示とは、外国企業の株を所有している個人が提出する「Form 5471」。外国企業がアメリカ企業の所有権の25%以上を持っている場合に提出する「Form 5472」。特定の外国パートナーシップの情報開示に必要な「Form 8865」。これらの報告を国際情報開示とも言います。適時に国際情報開示ができない場合、ペナルティーが発生するので注意する必要があります。
「Form 5471」と「Form 8865」の提出期限を過ぎると、一般的にフォーム一つ当たり1万ドル、最大で6万ドルのペナルティーが科されます。
また「Form 5472」が適切に提出できなかった場合にはフォーム一つ当たり2万5000ドルのペナルティーが科されます。さらに、IRS (内国歳入庁)の通知を受けてから90日を過ぎると毎月2万5000ドルの追加のペナルティーが発生し、こちらは上限がありません。
これらのペナルティーを軽減するためのいくつかの方法があります。
① 提出の確認
もし、全ての国際情報開示を行ったにもかかわらず、ペナルティーを言い渡された場合、納税者とIRSとの間での情報の不一致の有無を確認します。自分が適切に提出していた場合、IRSの記録が適切に反映されるよう、通知する必要があります。
② 初めてのペナルティー軽減
IRS の FTA(First Time Abatement)規定により、次の基準を全て満たした場合にはペナルティーが緩和されます。
過去3年間、同様の申告書を提出する必要がなかった、または同じ申告に対して税金を滞納していない。
過去3年間、同様の申告が必要だったが、FTAまたは許容基準を利用して調整したペナルティーがない。
期限内に必要な全ての申告書を提出した、または延長申請をしている。そして現在、納付すべき税金を全て納付している。
一般的に、FTAは「Form 5471」と「Form 5472」に適用されません。しかし、いくつかの基準を満たせば適用されることがあります。
最近(Farhy v. Comm. 2024年5月3日、D.C.サーキット控訴裁判所、ケース番号23-1179)、米国控訴裁判所は、IRSが2003〜2010年の税年度にForm 5471を提出しなかったことに対する約50万ドルの罰金を徴収できると判断しました。結論として、IRSは現在、IRC §6038(b)に基づく罰金を査定および徴収することができます。しかし、内国歳入法のSubtitle F、Chapter 68に基づいて課されていない他の罰金(他の外国報告義務違反の罰金を含む)については、Farhy事件の控訴裁判所の理由付けに照らして、IRSが査定および徴収できるか、司法省による民事訴訟で追及しなければならないかを評価する必要があります。また、 Farhyがこの決定を米国最高裁判所に上訴するかどうかを見守る必要があります。
FTAは有効な切り札ですが、まずは漏れのないように正しく手続きをすることが大切です。
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