会社員の家賃収入の損益
お客様からのお問い合わせが多かったご質問を IIO News Accounting Tax!にてご紹介していきたいと思います。
本日のご質問は、こちらです!
Q: 会社員で家賃収入がありますが、損失が出ました。確定申告で控除の対象になりますか?
A: 賃貸物件からの所得はPassive Activityと呼びます。一方、会社からもらう給与はNon-Passive Activityと呼びます。ただし、1年の半分以上、賃貸業に携わるなど、一定の基準を満たす税法上の不動産の専門家の定義に当てはまる人にとって、賃貸物件からの所得はPassive Activityになりません。
まず、賃貸物件から利益が発生した場合、通常税率で課税されます。損失があった場合は別のPassive Activity による収入と相殺でき、余剰分は翌年に繰り越せます。ちなみに、賃貸以外のPassive Activityとは、物のリースや、実質的にほとんど活動をしていない個人経営・農業・パススルー企業から送られてくるのSchedule K-1に記載のある所得などが挙げられます。しかし、賃貸物件の損失は、給与、利子、配当などのNon-Passive Activityからの収入とは基本的に相殺できません。これを、Passive Activityの損失控除の制限と呼びます。
賃貸収入がマイナスの際、申告者がActive Participantかどうかで損失の取り方に違いが出ます。IRSの定義した不動産賃貸業におけるActive Participantとは、不動産の専門家とも異なり、不動産の管理や運営方針を積極的に決定し、テナントの入居者を自分で探したり広告を出したりする人を指します。逆に、物件やテナントの管理を完全に不動産会社に任せている場合は、Active Participantとは言いません。確定申告が夫婦合算申告の場合、夫婦のどちらかが当てはまればActive Participantとみなされます。
Active Participantは、年2万5000ドル(夫婦合算)/ 年1万2500ドル(それ以外)を上限に、賃貸ロスを他の所得や利益と相殺できます。この特別控除は、他の収入が2万5000ドル以下の場合は、その額までしか取れません。また、結婚していて夫婦別々に確定申告をしている人も、この特別控除を取れません。その他にも条件があり、2万5000ドル全額の控除が取れないこともあります。
一例ですが、給与が年4万ドルの人で2,000ドルの賃貸損失があった場合、税率12%とすると、管理会社に全て任せている場合は税金が4,800ドル (4万ドル x 12%) です。対して Active Participantの税金は4,560ドル ((4万ドル – 2,000ドル) x 12%) なので、少し安くなります。
税法上、このように所得の種類によって異なった特別なルールが多く存在します。Active Participantに該当すると知らずに賃貸収入のマイナスの特別控除の申請を取り忘れることのないようにしましょう。更には、賃貸収入を、Non-Passive Activitlyとして誤った申告をしてしまい上限以上に損失を控除してしまった場合、後から当局側より罰金の支払いが課される可能性があります。ですので、間違いのないように申告する必要があります。
当社では、皆様の2021年度の申告書作成のお手伝いをしております。申告書の期日は4月18日です。まだまだ承っておりますので、お気軽にご連絡ください!
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