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2021年08月10日

二重課税の回避の方法

お客様からのお問い合わせが多かったご質問を IIO News Accounting Tax!にてご紹介していきたいと思います。

本日のご質問は、こちらです!

Q: 日米でも所得があり、日本に所得税を納めています。アメリカでもその所得に対して所得税を払わないといけないのでしょうか。

A: はい、税務上アメリカの居住者となる場合は、全世界収入を申告し、それが課税対象となるため、
日本の所得もアメリカで課税対象となり、税金を支払います。

しかし、アメリカでも日本でも二重課税にならないようにルールができています。
また、二重課税を回避する方法もありますので紹介します。

一番シンプルな方法としては、外国所得免除の申請です。
アメリカ国外で得た所得をアメリカの確定申告書の課税対象所得から除外する方法です。

毎年インフレ率によって調整されますが、免除できる金額の上限が決まっています。
そのため、高所得の人は軽減は可能ですが、全額は免除できない可能性もあります。
また、免除するにはいつくかの条件があります。

他の方法に、外国税控除の申告があります。
上記とは違い、アメリカ国外の所得もアメリカの確定申告書にて課税対象所得となります。
しかしながら、二重課税を回避するため、アメリカで発生した税額から海外で払った税額を差し引く方法です。

ただし、現在米国から経済制裁を加えられている4つの国、シリア、スーダン、北朝鮮、イランは対象外となります。
さらに、これは連邦税の話であり、カリフォルニア州も含め、州税では認めないという州もあるので注意しましょう。

また、この方法は二重課税にならないと言われていますが、アメリカでの所得税率が日本よりも高い場合は、
日本での収入に対して差額の税率分を納めなければいけません。

例えば、日本で10万ドルの所得があり日本の所得税が20%、アメリカでは25%だった場合、
アメリカでは2万5000ドル(10万ドルx 25%)の税金がかかりますが、2万ドル(10万ドルx 20%)を既に日本で納めているため、
アメリカでは残りの5000ドル(2万5000ドル – 2万ドル) 、つまり5%を払う、とういうことになります。

最後に、1年の間に、税務上、居住者だった期間と非居住者だった期間が存在する方は、「Dual Status」という申告ステータスで申告する方法があります。
初めてアメリカに移住した年や帰国した年に当てはまる方が多いでしょう。

期間を分けることにより、居住者の間は全世界の所得が対象、非居住者の期間はアメリカのみの所得が対象となります。
ただし、このDual Status の申請方法だと、通常とれる控除がとれないなどのデメリットもあります。

どの申告が可能でどの方法がベストかは、それぞれの方の状況(滞在日数やアメリカ国外の収入と納税額)によって異なります。
複数の方法が可能な場合は、それぞれの方法、もしくはその組み合せを試算し、一番よい節税方法を見つけ出しましょう。

特に、高所得の方は選ぶ方法によってだいぶ納税額・還付額が変わってきますので、一度専門家に相談することをお薦めします。

本日のQ&Aは、お役に立ちましたでしょうか?

あくまでも一般的なアドバイスとなりますので、さらに詳しいアドバイスが必要な方はぜひ個別相談を受け付けております!
その他ご質問や取り上げてほしいトピックなどございましたらお気軽にお問い合わせください!

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